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会社設立体験談 vol.4: 【人が集まる職場とは?】リーダーのモチベーションと引き受ける覚悟

公認会計士・税理士/クロスト税理士法人 松本昌晴

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2021年6月15日

介護事業の経営者の共通の悩みは人材の獲得です。

私のお客様にも、スタッフが獲得できず、せっかく獲得してもすぐに離職してしまうため、事業を成長させることができないという悩みを持つ方は多いです。

では人材を獲得するポイントは何でしょうか?

多くの経営者とお会いして来て感じるのは、人が集まる職場には、必ずこの人についていきたい!と思わせる魅力的なリーダーがいます。

高いモチベーションを持ったリーダーのもとにどんどんスタッフが集まり、働きやすい環境がはぐくまれ、それとともに利用者が増えて、いつの間にか事業が拡大していくという好循環を生み出しています。

カエルのかぶりものをかぶった女性

今回お話を伺ったのは、大阪市西成区で、キラリ★介護サービスを経営されている株式会社Shineの平井輝子社長です。“「一生辞めたくない」とおもってもらえるような会社をつくる”というビジョンのもと、働きやすい職場を実現し、その結果として事業を成長させることに成功されています。

インタビューでは、こんなお話をうかがいました。

・会社を設立したきっかけ、想い

・会社設立の手続で大変だったこと

・これから開業される方へのアドバイス

・成長の秘訣

能力のあるメンバーがバラバラになってしまうのは勿体ない、という思いから起業

―会社を設立された経緯、想いなどをおしえてください。

昔から、何かもっとでっかいことができるような気がする、と思っていたんです(笑)

貯金があるわけでもなく、実生活では何の条件も整っていなかったのですが、気持ちだけはありました。

―起業に至った具体的なきっかけはあったんですか?

当時勤めていた会社がぐらつきだしたことです。

何の経験も知識もない資格だけとったような方がトップにたって強引な指示をしてきて、スタッフは不満を感じ、人間関係もどんどん悪くなっていきました。

さらに、将来の起業のためにお金を貯めようと給料の良い会社を選んで入社したのに、給料が大幅にカットされたんです。

月給は下がるけど年収で調整するので待つように言われたんですが、ボーナス月にも改善されなかったために、みんなが不満を貯めて辞める準備を始めました。

そこで働いていた人は能力のある人ばかりでしたし、私自身も自分の能力に自信があったので、このメンバーがバラバラになってしまうのは勿体ない、と思ったんです。

自分が少し無理してでも、辞めていく人たちをなんとか繋ぎ止めたいという想いから起業を決断しました。

ずっと夢を持ち続けてきたことのきっかけが、勝手にやってきたという感じでした。

予定では、3年かけて貯金してから開業しようと思っていたんですが、結局は今しかない、という直感で起業を決めました。

「もし私がここで起業したらみんな私と一緒に仕事する?」と聞いたら、みんなが「する!」と言ってくれたので、「よし、それならお金借りよう!」となりました。

―なぜスタッフの方がついてきてくれたんだと思いますか?

「一緒にやったら面白そうやな」、と言ってついてきてくれました。

みんな、自分の能力に自信があったんだと思います。

それなのに、当時の会社では評価されずに減給までされて、それぞれみんな行く先を探していたんです。

お金の流れが1年目には全然わからなかった

介護者と老人の手

―会社を設立してみて、大変だったことはどんなことですか?

お金の流れが1年目には全然わからなかったので、資金繰りに苦労しました。

1年のどこで大きな支払いが必要になるとか、社会保険料を会社がこれだけ負担しないといけない、といったことも把握せずに、従業員の報酬を先に決めて支払ってしまって次の月に計算が狂う・・・といったことが起こり、何回か泣きました(笑)

2年目からは税理士さんにサポートしてもらい、スケジュールを作ってもらって、この月には大きな支払いがありますよ、このままだと苦しくなるのでここを改めた方がいいですよ、というアドバイスを受けて、上手くいくようになりました。

税理士さんが、個人の主観ではなくて、数字の根拠に基づいて、冷静にわかりやすく説明してくれるのですごく説得力があります。

私はイケイケで決めてしまう性格なので、逆に冷静にアドバイスしてくれるのがとても助かっています。

―逆に、想像以上にうまくいったことはありますか?

起業する前は色々な人から、楽じゃないよ、黒字に転じるまで3年はかかったと聞いていたんですが、実際は1年半くらいで黒字になったので、そのへんはスムーズだったかなと思います。

ずっとお金は継ぎ足し継ぎ足しはしているけれど、お金の面での気持ちの焦りはなくなりました。

―それは最初から利用者さんがいたからですか?

そうですね、立ち上げの時に参加したスタッフが、業界で長く経験を積んでいた方ばかりだったので、それぞれ「あなたが移るのなら私もついていく」という利用者様を3~4人くらいは連れてきてくれました。

営業もしましたが、営業に回ってとれたサービスは結局は一つもなかったですね。

スタッフや知り合いからのご縁がつながって、その結果利用者さんが増えていったという感じです。

―今から思えばこうすればよかったと思ったことや、今後介護事業を始められる方へのアドバイスはありますか?

最初から加算をとっておけばよかったと思います。知らなかったのでとっていなかったので。

処遇改善加算Iはとれているんですが、特定事業所加算と特定処遇改善加算というものを7月に取る予定で準備中です。

これから開業する人には、加算をとれるかどうか調べて、最初からとった方がよいですよ、とアドバイスしたいです。

途中から加算をとる準備をするとなると、給料など既存のかたちを切り替えるのは中々難しいので。

トップのモチベーションが大事

モチベーションのイメージ画像

―順調に事業を成長させていかれていますが、上手く言ったポイントは何だと思いますか?

自分のモチベーションが下がっていないことだと思います。

トップのモチベーションはやはり大事ですね。

モチベーションが下がる時もあるけれど、それは単なる通過点だと思いますし。

ただ、モチベーションがあって、体力もパワーもあるから、自分が全部引き受けてしまうところがあるんです。それで回らなくなってしまうことがあります。

そんな時、「全部引き受けないで、線引きした方がいいよ」、と冷静に忠告してくれる同僚がいるのがとても有難いです。

自分でやる方が楽で、従業員にふるのは逆に難しいんですよね。

それで不満をもたれたら嫌だな、と思ってしまいますし。

ただ、自分で勝手に「相手にこう思われるんじゃないか」、と心配し過ぎて伝えられていない部分があったのかもしれないと思い至り、直接話してみたところ、「了解」とすんなり受けいれてもらえて拍子抜けしたことも多々あります。

コミュニケーションをよくとることが大切ですね。

お酒が好きなので、飲みにいってコミュニケーションを図れる人は楽ですけどね(笑)

いかに従業員が仕事をしてくれるようにもっていくのがポイントですよね。

トップが全部引き受けなくては、と思いがちですが、やり過ぎて逆にモチベーションが下がってしまうと本末転倒ですし。

一人でやれることには限界があるので、これ以上事業を大きくできなくなってしまいますしね。

働きやすいから人が集まり、事業が広がる

女性5人の画像

―御社の特徴、強みなどを教えてください。

事業所は西成のあいりん地区にあります。この地域に偏見を持たれる方もいらっしゃいますが、私たちにとっては、単身の方が多くほとんどの方が一人暮らしという点で、逆に非常にやりやすいんです。

以前、堺の方で働いていた時に経験したんですが、訪問介護の難しいところは、利用者の方の家族との付き合いです。

家族と同居されていて、その家族の方がしっかりされている場合、利用者対ヘルパーの関係ではなくなってしまって、家族対ヘルパーになってしまうことがあります。

利用者さんが望んでいることであっても、家族のことを考えたらベストなプランが選択できなかったりすることも多いんです。

その点、ここだと利用者さんに向き合ったサービスが提供できるのが良いところだと思います。

―スタッフさんの特徴は?

スタッフには、「あのヘルパーさんにまた来てほしい」、と言われる仕事をしなさいと言っています。

その人がどんなサービスをうけたら幸せになれるかを、いつも考えて接するのが大切だと伝えています。

辞めていくスタッフもいましたが、逆に他からうちで働かせてください、と流れてくる方の方が多く、その方が利用者を連れて来てくれて、事業が広がっていっています。

―なぜスタッフさんが集まってくるんでしょうか?

働きやすいからだと思います。たぶん、私の人柄じゃないかと思います。(笑)

私が以前働いていた職場で知っていて、ここなら働きやすいと思ってもらえるんだと思います。

―女性は人間関係が良い事務所で働きたいと思っている方が多いですよね。ここなら人間関係も良くて働きやすい、というのが御社の強みですね。噂を聞いてスタッフが集まって来て、そこに利用者が付いてくるという良い循環となっていますね。

人を雇うのに十分なお金があるわけではないんですが、なるべく来てくれるかたは拒みたくないと思っているので、事業を広げていきたいと思っています。

―広げたくても人が足りなくて広げられないという事業所がほとんどの中、人が集まってくるというのは、すごい強みですね。今後の夢はありますか?

グループホームを創りたいと思っています。

ずっと長く働いてくださっている年配の方も多いのですが、訪問介護を続けていくのは肉体的に厳しくなっていくと思うんです。

その方たちに楽に働いてもらえるように、グループホームを創りたいという思いがあります。

今はまだ高いハードルがありますが、全然あきらめてないです。

いつかは実現したいです。

この記事を執筆した人

公認会計士・税理士/クロスト税理士法人
松本昌晴

この記事を執筆した人

公認会計士・税理士/クロスト税理士法人 松本昌晴

会計事務所を開業してから35年以上になります。この間、500件以上の会社設立の無料相談にかかわりました。会社設立について悩んでいる人達に、「悩みを解決するための情報を提供したい」という想いから本サイトを立ち上げました。

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